サプライチェーンマネジメント
企業が人権や環境などの社会課題に向き合う必要が高まってきており、サプライチェーン全体を健全で強靭なものにすることが求められています。ヤマトグループは、多くのビジネスパートナーに支えられながら事業を営んでいます。私たちは、持続可能な社会の発展に向けてサプライチェーン全体でサステナビリティに取り組むことは社会的責務と考えています。
サステナビリティの指標と目標(2026年度)
- 主要なビジネスパートナーの行動規範順守への賛同取得率:100%
- 主要なビジネスパートナーに対し是正・見直しを実施
- 全社員を対象とするビジネスパートナーとのコミニケーション能力強化のための教育実施
その他の詳細の目標や進捗実績はサステナビリティ戦略・目標と実績をご参照ください。
推進体制
サプライチェーンマネジメント部会の計画および活動の進捗状況については、部会長が定期的レビューを行うとともに、年1回開催される社会領域推進委員会で報告・審議・決定されます。
サプライチェーンマネジメントに関する方針
ヤマトグループ 責任ある調達方針
ヤマトグループは、公平・公正で誠実な取引を土台とし、ビジネスパートナーの皆さまとともに、環境や社会に配慮した責任ある調達をおこなうため、「ヤマトグループ 責任ある調達方針」を定めています。取締役会の決議を経て、ヤマトグループの意図を示すコミットメントとなっています。
ヤマトグループ ビジネスパートナー行動ガイドライン
ヤマトグループは、経済的基準だけでなく、社会的、倫理的、環境的基準、および企業責任に関連する基準を満たしていただくことをビジネスパートナーの皆さまに期待しています。その内容は「ヤマトグループ ビジネスパートナー行動ガイドライン」に明文化しています。これはヤマトグループの社内規定及び事業活動を行う国や地域が定めるすべての法令、主要なサステナビリティに関する国際的に認められた基準に基づいて、2022年1月に制定されました。
また、全てのビジネスパートナーに、新規取引開始時および改定時にご確認いただいています。
パートナーシップ構築宣言
ヤマト運輸は、内閣府や中小企業庁が推進する「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。
「パートナーシップ構築宣言」は、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップの構築を目指します。
ビジネスパートナーとの連携強化
取引先アンケート
ヤマトグループは、輸送などの業務委託先、備品の仕入先などのビジネスパートナー約5,500社を対象に年に1度アンケートを実施し、取引の実態について確認しています。アンケート結果は経営層に報告を行うとともに、アンケートで把握した課題を踏まえた改善活動ならびにコミュニケーション強化を通して、ビジネスパートナーとの良好な関係構築の持続に努めています。
ビジネスパートナーを対象とした相談窓口
ヤマトグループでは、年に1度の取引先アンケートだけでなく日頃からご相談を受け付けるための窓口を設置し、問題の早期発見・解決に努めています。
この相談窓口では、相談された方のプライバシーを保護し、相談内容を理由とした不利益な取り扱いを受けることがない体制を確保しています。
ビジネスパートナーとのコミュニケーション
取扱店
コンビニエンスストア、商店など全国約18万におよぶ取扱店は、お客さまとヤマト運輸とを結ぶ大切なパートナーです。
当社は、日々の訪問などを通じてヤマトグループの事業活動や新サービス、地域の情報などを随時お伝えしています。また取扱店からは、宅急便をご利用いただくお客さまの生の声・ご要望を伺うなど双方向コミュニケーションを深め、サービスの向上に努めています。
運送パートナー
ヤマト運輸は、幹線輸送などの一部を一般貨物自動車運送業者の皆さまに委託しており、すべての運送事業者と「業務委託契約書」を締結しています。当社は運送事業者を、お客さまの大切なお荷物を共に運ぶパートナーととらえています。こうした考えのもと、重要な課題である「安全第一」を運送事業者にも実践いただくため、安全対策や安全研修などを積極的に提供しています。
また、労働人口の減少や燃料価格の上昇、ドライバーの働き方改革などの課題を踏まえ、主に運送パートナーとの適正な取引を行うため、専門の部門を設置しています。
配送パートナー
ヤマト運輸は、EC向け配送商品を中心とするラストマイル配送の一部を配送パートナーへ委託しています。永続的な事業継続を目的とした配送パートナーとの健全な取引関係の構築や定例会での相互コミュニケーションを通じて、安定した配送品質の提供に取り組んでいます。
サプライチェーンマネジメントの取り組み
ヤマトグループではヤマトグループ ビジネスパートナー行動ガイドラインを基本とし、ビジネスパートナー調査、人権・労働・環境などの国際的なガイドラインなどを勘案しながら継続的に活動レベルの向上に努めています。
特に主要なビジネスパートナーについては、サステナビリティの取り組みの必要性を理解いただくため、担当部署とのコミュニケーションを通じて啓発・支援を行い、サプライチェーン全体でサステナビリティの取り組みレベル向上を目指しています。ビジネスパートナー調査を通じて深刻なリスクが確認された場合、その課題に対して、改善を要請するとともに支援を行います。
主要なビジネスパートナーの考え方
ヤマトグループでは以下の定義を基本とし、毎年各部署にて主要なビジネスパートナーを選定しています。2023年度は84社を主要なビジネスパートナーとして選定しました。
・代替不可であること
・事業継続に欠かせない物品や役務を提供していること
・取引金額が大きいこと
ビジネスパートナー向け説明会の実施
ヤマト運輸は2023年6月に、ヤマトグループが目指すサプライチェーンマネジメントについて、ビジネスパートナーの皆さまと共通認識を形成するため、主要なビジネスパートナーを対象に「サプライチェーンマネジメント説明会」を実施しました。ヤマトグループ ビジネスパートナー行動ガイドラインの内容を中心に、近年世界的に注目が高まりつつある人権や環境への対応、ヤマトグループのサステナビリティの取り組みについて説明しました。
ビジネスパートナー調査(モニタリング)
ヤマトグループは2023年度より、サステナビリティに対するビジネスパートナーの取り組み状況を把握・評価するため、主要なビジネスパートナー84社を対象に定期的にサステナビリティアンケートにご回答いただいています。
このアンケートはヤマトグループ ビジネスパートナー行動ガイドラインに沿った設問で構成されており、回答いただくことで、ヤマトグループとビジネスパートナーとが協同して持続的な成長と持続可能な社会の実現に向けて取り組むことへの賛同を得ています。
回答後には担当部署との対話を通じたフィードバックをおこない、各ビジネスパートナーのサステナビリティにおけるに強み・弱みをご確認いただいています。継続的な向上につなげていただくため、アンケートを通じ、事業の持続可能性に関するリスクを特定し、建設的な対話につなげています。
サステナブル調達に関する教育
ヤマトグループは、サプライチェーン全体で持続可能な社会を実現するためには、調達担当者がサプライチェーンにおける社会・環境課題を認識することが不可欠であると考えています。主要なビジネスパートナーを担当する部署を中心に、サプライチェーンマネジメントタスクフォースを立ち上げ、ビジネスパートナー調査に向けた検討をおこなうとともに、サステナブル調達に関する勉強会を実施しています。