資源循環・廃棄物 ~資源循環を進める、廃棄物を減らす~
ヤマトグループは、環境方針のもと環境保護に取り組み、マテリアリティの一つでもある「資源循環・廃棄物」においては、環境負荷の抜本的な削減および環境影響を最小化する技術の利用や機会創出を進めています。
目標と実績
マテリアリティ | 2023年度目標 | 2023年度実績 | ||
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資源循環・廃棄物 | ||||
資源循環を進める、廃棄物を減らす | 紙材における再生可能資源・再生材の利用55%*7 | 紙材における再生可能資源・再生材利用64% | ||
埋立処分率5%以下*8 | 埋立処分率(最終処分率)5% | |||
再生材を使用した商品や省資源の資材の提供 | 3商品の改良サンプル作成 紙材・フィルム削減量の算出完了 |
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資源利用削減、 廃棄物量削減、 リサイクル |
紙材使用量 2021年度比2%削減 | 紙材使用量 2021年度比17%削減 | ||
埋立量(最終処分量)2020年度比40%削減 | 埋立量(最終処分量)2020度比55%削減 | |||
廃棄物原単位 2020年度比3%削減 | 廃棄物量原単位 2020度比14%削減 | |||
リサイクル率 80%以上 | リサイクル率 84% | |||
海外連結子会社の資源使用量削減、廃棄物量の削減、リサイクルの促進*9 | 一部海外現地法人のフォワーディング業務おいて梱包資材を削減 | |||
再生可能資源や再生材、 省プラスチック資材の利用 |
容器・包装材の再生可能資源・再生材利用30%*10 | 容器・包装材の再生可能資源・再生材利用34% | ||
梱包での再生材利用の促進*9*11 | 海外引越事業において体積を50%削減したシュリンクラップの利用を開始 | |||
リターナブル資材開発、 シェアリング利用枠組み提供*13 |
再使用対象資材の実用化、共通リターナブル資材による輸送の提供 | パッキング事業において木製パレットをリターナブルパレット(容器)へ移行 廃棄パレット20%削減 |
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シェアリングモデルの開始と利用事業者拡大 | パッキング事業において梱包資材共通化により使用量削減 | |||
水使用量の削減・水質改善 | 水使用原単位2020年度比3%削減 | 水使用原単位2020年度比9%削減 | ||
水の再利用と水質保全の推進 | 環境負荷の低い石鹸使用継続 | |||
海外連結子会社の水使用量削減活動の推進*9 | 海外現地法人の実績データと好事例を収集 |
- 表の全体はスクロールバーを操作して確認してください
*7 紙材は荷造り用ダンボールや集配用資材等
*8 従来比半減相当
*9 海外連結子会社それ以外の項目は日本国内連結子会社
*10 容器・包装材は荷造用梱包資材や緩衝材等
*11 海外のロジスティクス・引越事業
*12 外部連携
その他の目標は、「サステナビリティ戦略・目標と実績」をご参照ください。
持続可能な資源利用
ヤマトグループは、グリーン購入やリサイクルの推進、環境に配慮した包装資材の開発などに取り組み、資源循環に努めています。
使用後の制服や廃タイヤなどのリサイクル、緩衝材不要あるいは分別しやすい包装資材の研究・開発、再生材を使った梱包での海外生活支援サービスの提供も進め、循環型社会の実現に寄与しています。ヤマトグループは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12、持続可能な生産消費形態の確保に真摯に向き合っています。
パフォーマンスデータ
項目 | 詳細 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||||||||||
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投入量(t) | リサイクル材料 (再生材)(t) |
使用したリサイクル 材料割合(%) |
投入量(t) | リサイクル材料 (再生材)(t) |
使用したリサイクル 材料割合(%) |
投入量(t) | リサイクル材料 (再生材)(t) |
使用したリサイクル 材料割合(%) |
投入量(t) | リサイクル材料 (再生材)(t) |
使用したリサイクル 材料割合(%) |
投入量(t) | リサイクル材料 (再生材)(t) |
使用したリサイクル 材料割合(%) |
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原材料 | 木材、合板等 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,013 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
化学物質 | 塗料等 | 0.1 | - | - | 0.1 | - | - | 0.0 | - | - | 0.0 | - | - | 0.0 | 0.0 | - |
自動車部品 | 車両のパーツ | 4 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | - | 0 | 0 | - |
車両のタイヤ・タイヤチューブ | 4,391 | 32 | 1 | 3,709 | 13 | 0 | 3,416 | 6 | 0 | 3,663 | 440 | 12 | 4,065 | 611 | 15 | |
車両 | 車両本体 | 18,123 | 33 | 0 | 15,310 | 0 | 0 | 21,379 | 0 | 0 | 6,997 | 0 | 0 | 9,544 | 8 | 0 |
仕分け装置 | 自動仕分け機、ベルトコンベア | 280 | 0 | 0 | 102 | 0 | 0 | 311 | 1 | 0 | 231 | 0 | 0 | 92 | 0 | 0 |
工具器具備品 | ロールボックスパレット、コールドボックス等 | 3,235 | 0 | 0 | 4,392 | 0 | 0 | 7,186 | 0 | 0 | 1,359 | 0 | 0 | 10,187 | 0 | 0 |
集配機材 | クール備品(バッグ) | 116 | 0 | 0 | 125 | 0 | 0 | 131 | 0 | 0 | 109 | 0 | 0 | 149 | 0 | 0 |
紙材 | 伝票 | 6,910 | 0 | 0 | 9,084 | 0 | 0 | 9,941 | 0 | 0 | 8,346 | 0.5 | 0 | 7,409 | 0 | 0 |
コピー用紙 | 3,208 | 703 | 22 | 2,701 | 596 | 22 | 3,084 | 1,057 | 34 | 2,905 | 1,876 | 64.6 | 2,516 | 1,691 | 67 | |
荷造り用ダンボール | 7,526 | 6,580 | 87 | 15,352 | 12,196 | 79 | 26,251 | 20,411 | 78 | 24,933 | 22,047 | 88.4 | 22,448 | 20,313 | 90 | |
集配用資材(不在票・PPロール紙等) | 2,326 | 0 | 0 | 1,648 | 0 | 0 | 2,123 | 1 | 0 | 2,111 | 0 | 0 | 2,143 | 0 | 0 | |
紙材合計 | 19,970 | 7,283 | 36 | 28,785 | 12,793 | 44 | 41,399 | 21,468 | 52 | 38,295 | 23,924 | 62.5 | 34,516 | 22,004 | 64 | |
容器・包装材 | 荷造用梱包資材 | 2,443 | 7 | 0 | 4,311 | 1,427 | 33 | 3,790 | 1,317 | 35 | 4,043 | 1,275 | 31.5 | 3,347 | 1,146 | 34 |
緩衝材 | 1,736 | 1,207 | 70 | 1,060 | 259 | 24 | 1,063 | 164 | 15 | 844 | 191 | 22.6 | 796 | 267 | 33 | |
弁当容器・パン包装用袋* | - | - | - | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | |
容器・包装材合計 | 4,179 | 1,214 | 29 | 5,372 | 1,686 | 31 | 4,855 | 1,482 | 31 | 4,888 | 1,466 | 30 | 4,144 | 1,412 | 34 |
- 表の全体はスクロールバーを操作して確認してください
- 範囲:国内連結会社および(株)スワン
- 四捨五入のため、内訳と合計が一致しない場合があります
- *(株)スワンにて使用、2020年度より集計
項目 | 詳細 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
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家具 | ベッド・テーブル・椅子等 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
梱包資材 | 発泡スチロール | 105 | 57 | 36 | 0.7 | 0.8 |
- 範囲:国内連結会社および(株)スワン
項目 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|---|---|
地表水(千m3) | 0 | 3 | 13 | 11 | 12 |
地下水(千m3) | 0 | 9 | 8 | 0 | 0 |
雨水(千m3) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
水道水(千m3) | 1,787 | 1,679 | 1,809 | 1,553 | 1,479 |
合計(千m3) | 1,787 | 1,691 | 1,831 | 1,564 | 1,491 |
再利用した水(千m3) | 1 | 5 | 3 | 3 | 3 |
再利用割合(%) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
水使用原単位 (千m3/営業収益1億円) |
0.0941 | 0.0855 | 0.0927 | 0.0799 | 0.0781 |
- 範囲:国内連結会社および(株)スワン
- 推計を含む。
年度 | 項目 | 有害廃棄物(t) | 非有害廃棄物(t) | 合計(t) | 率(%) | 廃棄物原単位(t/営業収益1億円) |
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2019年度 | 発生量 | 8 | 55,272 | 55,280 | 100 | 2.91 |
リサイクル量 | 4 | 30,478 | 30,481 | 55 | ||
回収量 | 0 | 4,703 | 4,703 | 9 | ||
焼却量 | 4 | 13,501 | 13,505 | 24 | ||
最終処分量 | 1 | 6,590 | 6,590 | 12 | ||
2020年度 | 発生量 | 10 | 48,346 | 48,357 | 100 | 2.45 |
リサイクル量 | 1 | 22,889 | 22,889 | 47 | ||
回収量 | 0 | 4,752 | 4,752 | 10 | ||
焼却量 | 6 | 15,801 | 15,807 | 33 | ||
最終処分量 | 3 | 4,905 | 4,908 | 10 | ||
2021年度 | 発生量 | 16 | 47,775 | 47,791 | 100 | 2.42 |
リサイクル量 | 5 | 21,346 | 21,351 | 45 | ||
回収量 | 0 | 4,637 | 4,637 | 10 | ||
焼却量 | 9 | 16,763 | 16,772 | 35 | ||
最終処分量 | 1 | 5,030 | 5,031 | 10 | ||
2022年度 | 発生量 | 12 | 40,259 | 40,271 | 100 | 2.06 |
リサイクル量 | 4 | 18,991 | 18,996 | 48 | ||
回収量 | 1 | 6,958 | 6,959 | 17 | ||
焼却量 | 6 | 11,024 | 11,030 | 28 | ||
最終処分量 | 1 | 2,956 | 2,957 | 7 | ||
2023年度 | 発生量 | 13 | 41,261 | 41,274 | 100 | 2.11 |
リサイクル量 | 4 | 22,949 | 22,953 | 56 | ||
回収量 | 1 | 11,673 | 11,674 | 28 | ||
焼却量 | 6 | 4,354 | 4,360 | 11 | ||
最終処分量 | 2 | 2,215 | 2,216 | 5 |
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- 範囲:国内連結会社および(株)スワン
- 有害廃棄物は、日本の廃棄物処理法で定める「特別管理廃棄物」
- 非有害廃棄物は、その他の廃棄物(特別管理廃棄物を除く産業廃棄物、一般廃棄物、有価物)
- 四捨五入のため、内訳と合計が一致しない場合があります
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
- 範囲:国内連結会社および(株)スワン
その他、燃料や排水量等のデータ
環境負荷低減の取り組み
事例1:廃タイヤのリユース・リサイクルに関するメーカーとの協働プログラム
運送業を主体とするヤマトグループにとって欠かせない自動車部品でありながら消耗品であるタイヤは、事業推進する上で環境負荷への配慮が特に必要となります。
当グループは、タイヤのリユース・リサイクルに関する協働プログラムを、ブリヂストンBRM株式会社や東光タイヤ工業株式会社と推進しています。廃タイヤは協働先で洗浄・補修・成形・耐圧検査などの行程を経てリトレッドタイヤ(更生タイヤ)として再生されています。 リトレッドタイヤは新品タイヤに比べ、原材料の使用量を三分の一以下に抑えることができ、タイヤの使用期間を長期化することで、タイヤの新たな生産と廃棄の抑制につながります。
2023年度にヤマトオートワークス(株)が仕入れ、ヤマト運輸(株)が購入した リトレッドタイヤは34,574本(前年比131%)に上っており、 リトレッドタイヤ使用を拡大しています。
*1 成型の工程でトレッドゴムを貼り付ける
*2 加硫とは、ゴムを加工する際に、圧力や熱を加え、男性や強度を確保する工程のこと
事例2:制服のグリーン購入。リサイクルに関する他社との協働
ヤマトグループは、自然環境の保護や再利用を目的とし、再生材を用いた制服を2000年から導入しています。また、制服の使用終了後における環境への影響を最小限に抑えるため、当グループは衣類のリサイクルを専門とする株式会社エー・ケー・テックなどにリサイクルを委託しており、制服をフェルトにし、主に自動車の吸音材として再利用されています。2023年度にリサイクルされた制服の量は約162tとなり、廃棄物の削減や生産に必要なプラスチック資源の減少にも貢献しています。
事例3:機密文書リサイクルサービスの提供
ヤマト運輸(株)は、専用ボックスに入れるだけで機密文書を簡単かつ安全に処分可能な「機密文書リサイクルサービス」を提供しています。未開封の箱ごと溶解するので、情報漏えいの心配もありません。溶解後はトイレットペーパーや段ボールとして100%再利用されています。
2023年度は全国で約21,308tの機密文書を溶解処理・リサイクルしました。
事例4:地域と連携した取り組み(新宮城主管支店)
ヤマト運輸(株)新宮城主管支店では、積極的な環境負荷軽減の取り組みを展開した結果「令和4年度 宮城県ストップ温暖化賞(現みやぎゼロカーボンアワード)」*1を受賞しました。
同主管支店では、定期的に取り組み方針の確認や情報の共有を行い、取り組み内容をニュースレターとして発行することで社員への普及啓発を進めています。紙や廃プラスチックの分類・回収によるリサイクル率の向上、営業所へのラベルレス飲料導入など、主管支店独自の創意工夫をこらした取り組みをしています。輸送に関わる部分では、2023年7月より宮城県の環境配慮行動促進アプリ「ecoチャレンジみやぎ」*2のエコアクションとして、紙資源のリサイクル率が高い送り状利用を促す「ネコピット*3を利用した送り状発行」や、再配達抑制によるGHG排出削減が期待される「PUDOステーション*4を利用した荷物の受け取り・発送」が追加されました。
*1 宮城県主催の地球温暖化対策に資する取り組みで顕著な功績があった団体を表彰する制度
*2 宮城県が提供する環境行動(エコアクション)に参加するとポイントが付与されるアプリ
*3 営業所に設置された端末
*4 オープン型宅配便ロッカー