安全への取り組み
ヤマトグループのCSR活動は、「グループ企業理念」にのっとり「安全」「環境」「社会」の3分野を軸として展開してきた。
小倉康臣が交通安全に取り組むきっかけになった最も古い記録は、
1920年(大正9年)の大和運輸のトラックと接触した荷車を引く男性が死亡した事故だった。
また、小倉昌男が安全への思いを強く意識したのは、1955(昭和30)年に出向先の静岡運輸で労災事故が多いことから、労働基準監督署に模範的な工場の見学をすすめられた時だった。
そこで感銘を受けたのが「安全も能率も一番とするとどちらも中途半端になる」という言葉だった。
その経験から人命を最優先とし、安全を第一とする「安全第一、営業第二」のモットーをつくり静岡運輸で実践。
労災事故は減り、営業も活発になっていったという。
昌男は本社に戻ってから交通事故をなくす決意を固め、1970年に「10日間全社で交通事故ゼロに挑戦する」運動を始める。
「事故ゼロ作戦」と呼ばれたこの運動は5年目の1974年秋に念願の事故ゼロを達成。
昌男は「何年か後には世間の誰もが黒ネコのトラックを指して“あれは事故ゼロの会社なんだよ”というようにしたい」とその時の社内報で綴っている。
その後も車の後方を確認できる安全搭載車「事故るもんカー」、交通事故防止とドライバー支援の「See-T Navi」の開発、ドライブレコーダーの標準装備などで安全への取り組みを続けている。