ホーム > 東日本大震災への対応について
みなさまの多大なるご支援ありがとうございました。
公益財団法人ヤマト福祉財団は、ヤマト運輸の寄付金(宅急便1個につき10円)をベースに「東日本大震災生活・産業基盤復興再生募金」へのご協力をお願いしてまいりましたが、6月30日をもって無事に終了することが出来ました。宅急便のご利用で、ご協力を頂いた方々、当財団の口座へ直接お振込みを頂いた方々、本当にありがとうございました。募金の総額は142億7426万4524円に上り、第一次から第五次までの五回で31件の事業へ助成をさせて頂きました。ご支援に対し衷心よりお礼申し上げます。
助成先の事業内容は、五回の選考委員会で決定した都度、ホームページにて公開してまいりましたが、県別と区分別と具体的な事業名と金額を別表に添付しておりますので、ご覧頂きたいと思います。選考において最も重要視した考え方は、単に被災地へお金だけを届けるのではなく、スピーディーで目に見える支援をすることで地元の方のやる気に直結し、復興再生が確実に進んで行き、波及効果が高まる支援になることを目指しました。ヤマト運輸にとっては、内部留保にまわすべき142億円もの貴重なお金を、そして直接寄付を頂戴した皆様方の志を無駄にすることなく、被災地の人達の復興再生の役に立つ生きた支援として効果的に活用出来たものと自負しています。これは、ひとえに選考委員の先生方のご尽力の賜物です。先生方のお名前と御略歴はホームページに掲載しておりますが、それぞれの道に精通している最高権威が選考委員として就任してくださいました。本当にありがとうございました。感謝申し上げます。
1919年に創業し、92年目を迎えたヤマトグループは、昨年の震災を目の当たりにした時、一世紀近くも商売させてもらった世の中へ恩返しをする時だと、社員一同が考えました。最重要課題は宅急便本業の正常化です。現地は本当にがんばってくれました。私も被災地へ入りましたが、被害の大きな営業所でも、電灯も無い中で仕事を始めていました。頭が下がる思いでした。お客様も喜んでくれました。全国の人達から支援物資がダイレクトに届くことになったからです。地元の行政のお手伝いもしました。避難所や数世帯が集まっている所へ支援物資を届けました。全国の社員も応援に入りました。私が遠野の営業所を訪ねた時には鹿児島のドライバーが働いていました。社員のボランティアもたくさん現地へ入りました。今でも週末には、会社のバスが銀座を出発しています。以上に加えて、冒頭の「復興再生募金」を行いました。御当局始め関係各位のご支援に感謝申し上げます。ありがとうございました。
最後になりますが、助成先の進捗状況の一部をご報告します。宮城県南三陸の仮設魚市場は昨年の10月21日に完成し、24日から「競り」を開始しました。秋鮭に間に合ったのです。早い支援の面目躍如、町の担当者は「これで人が町を去ることがなくなる」といって喜んでくれました。4月11日に私は、岩手県野田村保育会の地鎮祭へ出席しました。高台移設に国のお金が付かないとのことなので、建築費を助成することになりました。村長さんは「保育園の建設工事が復興の槌音となって村内を響き渡り、村民のやる気を喚起する」と挨拶されました。本当に良かったと感じました。進捗状況につきましては、これからも適宜お知らせします。あらためまして、関係各位の皆様方にお礼を申し上げます。誠に、ありがとうございました。
平成24年7月20日
公益財団法人ヤマト福祉財団
理事長 有富慶二